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ある若者の〈カンボジア〉 シェムリアップ訪問記 7 [シェムリアップ訪問記]

 絹織物作りには様々な工程があり、作業の難しさも様々だ。みんなやりたい工程を覚え、難しい作業の場合は始めに付きっ切りで教えてもらい、一人でできると認めてもらえれば、その作業を任せてもらえるという感じだ。

 でもこの村で働く女性たちみんな絹織物には子どもの頃から馴染みが深く、絹織物作りの感覚は子どもの頃にすでに体に刻み込まれている。

 村の子どもたちも、そんなお母さんたちの姿を見様見真似して感覚を養っている。ある工程で使うナタで子どもたちも作業を手伝っている。日本なら危ないと注意されそうなこともここカンボジアではケガしたら、痛かったね、気をつけないとケガするよと、こういう感じだ。誰も注意なんかしない。子どもにとっては大きくて危険なナタでも作業を体験させる。親も子どももとてもたくましい。

 そういえばここに来る途中、日本でいう小学生低学年ぐらいの子がさらに幼い子をバイクの前と後ろに乗せ運転していた。まぁここまでくるとやめさせたほうがいいと思うが。


「こんちにはー!」

 後ろの方からフレッシュな声が聞こえた。

 日本の大学生たちがこの村に来ていて、絹織物の作業を見たり、村の子どもたちとゲームをしたりして交流をはかっている。この村には頻繁に日本の大学生、そして他国からも訪問客がたくさん来るようだ。


「この子たちは将来絹織物系の仕事に就きたい子たちなんですか?」

「いえ、そうじゃないと思います。でも海外に出て、この村に来て、何かを吸収して帰っていく。それで十分だと思います。まずここに来たことが大事なんだと思います」

岩本さんは大学生たちを見つめてそう語る。

そうですね、きっといい経験になっていると思います。


 岩本さんはクメール語も話せる。全くクメール語には馴染みなんてなかったそうだが、現地に住んで現地語を話せなければ仕事にならない、生きていけない、そういう状況になれば覚えていくんだろうな。

 短期旅行をバカにしている訳ではないが、その国を本当に知りたければ言葉を勉強し、そして住むことが一番、そしてその国の文化に戸惑いながら暮らし、最終的に何も思わなくなったら、そこで初めてその国の一部を知れたということになるのではないか。

 こうして異国で一生懸命努力して生きている日本人はきっとたくさんいる。日本で家族の為に働いて子どもを育て、休日は趣味や子どもたちと遊んで過ごす。とてもとても立派だ。だが生き方の選択肢はどうやらたくさんあるようだ。


(続く)

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